とずけんどっとこむ

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都図研大会 研究授業

■公開授業1

 「こなこな とろとろ まぜまぜ」A表現(2)
  教室:1年2組
  指導者:八王子市立八王子第一小学校 吉岡琢真

■公開授業2

 「みることからはじまる ストーリー」A表現(2)
  教室:6年2組
  指導者:品川区立立会小学校 田中明美

■研究分科会 

「体と心を働かせた造形活動」
 子どもにアートが生まれるとき
 「子どもスイッチ 〜子どもの造形と5つの接点〜」
  会場:音楽室

公開授業2

1.日時  平成19年9月14日(金)13:45〜
2.場所  板橋区立舟渡小学校  図工室  

  • 〒174-0041   
  • 東京都板橋区舟渡3丁目6番15号  
  • 電話 03-3969-8405(職員室)

3.内容 
(1)公開研究授業題材名「空とそら」(5年生)中島 綾子 教諭
(2)研究協議会     

  • (ア)研究協議会     
  • (イ)指導講評多摩市立多摩第三小学校 柴崎 裕 教諭

(3)研究局研究会

授業の感想

report 辻政博

ひつじ日記(2007年9月16日)より抜粋

 SANY0061.JPG14日(金)は、都図研研究局の公開授業が、板橋区の舟渡小学校でおこなわれた。
 授業者は、今年5年目の中島綾子先生。題材名は「空とそら」。「みる」ことと「眺める」ことの意味性の違いに着目し、大きな広がる空を「眺める」ことからはじまり、白いダンボール(九〇センチ四方)に、溶いた絵の具で、「手」で描くというもの。
 いったい如何なる出来事がおこりうるか、着目していたが、5年生の子どもたちは、実に慎重に、そして、さまざまな工夫を凝らしながら、「眺めた」空のイメージをもとに、試行錯誤しながら、自分の「そら」を追及していった。
 そこには子どもの素朴かつ原初的な表現の営みがみられたように考えられる。だから活動をみていて興味が尽きなかった。
 以前、研究局のメーリングリストで、指導案が流れ検討しているのをみていて、そこ書かれたことばから、何をしたいのか、皆目検討がつかなかったので、思わず「苦言」で割り込んでしまった。そうした経緯があったので、実は、授業をみるまで「不安」であったのだ。
 というのも、「みる」と「眺める」ということば自体が、指導案のなかで恣意的に使われていて、(ここは図工の先生の最も不得意な部分だが)、意味づけがよくわからないのであった。(もちろん大切なのは、指導案上の整合性自体ではなく、実際の授業、子ども、活動がどのように捉えられているか、なのであって、逆に、たんなることばの整合性しかない指導案も多く見受けられる。特に最近の新採研修は、「指導案の書き方」といった形式に傾斜しがちで、内容がない。これは実は大きな問題だ。)
 今回の授業がよかったのは、「ことば」としての整合性は定まらないものの、中島先生の中に日ごろの実践を通じたなかで育まれた「ある種の実感」があって、それを基点に授業を模索していったことであろう。
 だから逆にここでは「ことば」は、たんに説明の道具ではなく、自分の思考を吟味していくための手段となっていたように思う。この分科会は、かなりの回数集まって、検討を重ねていったらしい。が、最終的に「みる」と「眺める」ということばは、授業者のなかで、「みる」ことは、対象と距離をおき客観的にとらえること、「眺める」ことは、そうした距離をおいて対象を捉えることではなく、主体が、対象と溶け合い同化した状態、という定義にむかったことが、授業者自評のなかでうかがえた。
SANY0115.JPG これは、本日の講師の柴崎裕先生も指摘したところである。
 さて講師の柴崎先生であるが、これまで研究局の三代目の研究局長として、都図研研究局の基盤を構築してきたひとである。現在は、現職のかたわら、学芸大学大学院で修士論文を作成中。
ひさびさに「柴崎節」を聞くことができ、なんやらとてもうれしくなった。初期の研究局で活躍した中村芳子先生なども久しぶりに出席し、「こうした大きな枠組みで図工について考えることは、大切だとあらためて感じた」と反省会で述べられていた。
 研究局は、創設11年目を向かえそれを跡付けるような話から講評は、おこなわれた。(そう言えば前回の講師、横内克之先生の話にも通じる)
 柴崎先生の話は、まず、「ものごと」の自明性を解きほぐし、その存在の根拠を問い直すことからはじまる。
 「美術」「図工」「子ども」「教師」「教育」などの言説自体を歴史的、思想的に読み解く作業の中なら、あらたに、現前の子どもや授業にむかうというスタンスをとるのである。
 実は、これは、日常の教育現場的な感覚からは程遠い感覚なので、「役立たない」と無視されがちであるが、たいへん重要な作業であると考えられる。(それに骨の折れる作業だ)
でないと、「日常性」のなかに埋没し、「ものごと」の「真為」が判断できなくなるからだ。(現在の日本の状況は、怠惰で放漫なこうした心性から生み出されてきている、と言えなくもない)ゆえに、もっとも根源的な作業であると言えよう。
ともかく柴崎先生の講評で研究局の思考に「カツ」がはいったことは確かである。研究局の若い先生方は、これからの図工を創っていくひとたちだ。試行錯誤のくりかえしのなかで、がんばってほしい。
(それにしても柴崎先生の「声」は、なかなかいい感じであった)

合同夏期美術館鑑賞

東京都図画工作研究会・東京国立近代美術館・国立西洋美術館・東京都現代美術館

1 日時  平成19年8月27日(月・休館日)9:30〜17:002 
2 場所  国立西洋美術館 講堂 常設展示室
3 対象  研究局員+中央ブロック図工部員
4 テーマ 子どもを育む「鑑賞」を考える
キーワード    

  • 見る…「先入観や情報に頼らないで自分の目で見る」  
  • 感じる・考える…「自分なりに見て、感じたことから考えを組み立てる」  
  • 言葉にする…「自分の思いや考えを他者へ伝える」  
  • 聞く…「他者の思いや考えを知る・認める」

4 内容    

  1. 鑑賞体験  
  2. ギャラリートーク見学  
  3. ディスカッション   
  4. 全体会(全体交流、講評)

感想

report 辻政博

ひつじ日記(2007年8月29日)より抜粋

07.8.27-3.jpg 27日(月)には、西洋美術館で、都図研、西洋美術館、近代美術館、現代美術館の共催による美術館教育研究がおこなわれた。この研究会も5年目となる。午前中は、各館の学芸員によるギャラリートーク、午後は、先生方による子どもへのギャラリートーク、協議会、講評会をおこなった。
 キーワードとして、「見る」(先入観や情報にたよらないで自分で見る)、「感じる・考える」(自分なりに見て、感じたことから考えを組み立てる)、「言葉にする」(自分の思いや考えを他者に伝える)、「聞く」(他者の思いや考えを知る、認める)という4つの観点から、子どもの鑑賞を考え、実施した。
 まず、素朴に、先入観や情報に頼らないで、自分自身の目やからだで、ものをみる、感じるという態度は、もっとも基底的で大切なことではないか。いまだに鑑賞は、テストのように答えがあって、その正解を捉えることというようなものが根強くあって、それが、「鑑賞嫌い」をつくっている。
自由に、自分の感覚、意思、思考、言葉を働かせて、楽しみながらみるという前提があって、はじめて、鑑賞そのものも深化することができると考えられる。特に、初めて美術館をおとずれる子どもにとって、鑑賞は、自由で楽しい、自分の思いが持てる場所であるといことを味わうことが、次の鑑賞行為を引き出すのである。
けれども、先入観や情報にたよらないで自分で見たり、自分なりに見て感じたことから考えを組み立てたり、思いや考えを他者に伝えたり、聞いたりする行為を引き出すことは、案外難しいことでもある。そこに今回の研究のねらいがある。
今年で5年目の継続研究であるが、スタッフも経験を積み、肩に力が入らないかたちで、自然に実践がおこなわれつつある。深まりと広がりがでてきたところである。今後も、子どもの鑑賞教育が発展することを期待する。
講師の岩崎清先生からは、さらに、造形表現特有の「造形的な要素」に子どもの鑑賞の視点が向かうことで、さらに深化が期待できる、また、彫刻を対象とした鑑賞もほしいなどの提言をいただいた。
学芸員の寺島さん、酒井さん、郷さん、武内さん、一條さん、ギャラリートークの玉置先生、大畑先生、岡田先生、平田先生、まとめ役の南副会長、その他多くの美術館ならびに都図研スタッフの皆さん、参加いただいた中央ブロックの皆さん、桐敷先生と根津小学校の子どもたちに感謝したい。

また、今回の子どもたちの交通手段としてバスを提供してくださり、美術館にも来館していただいた「三菱ふそうトラック・バス株式会社」の江頭啓輔会長様、本多通弘様にも御礼を申し上げたい。
交通手段の確保ができず美術館への来館を断念している学校も多いと予想される。そうしたなかでメセナ活動として、子どもたちを美術館に運ぶバスを無料で提供してくださる計画を提案していただいた。
江頭会長、寺島氏、南先生と私で、話し合いを持ち、三菱ふそうのバス提供の連絡先を公開することになった。HPや都図研ニュースなどでお知らせしたいと思う。
今後、美術館を訪問する計画のある学校は、ぜひともアクセスし、無料でバスの提供の便宜をはかっていただいたらどうだろうか。
今回の鑑賞研究は、ソフトのみならず、こうしたハードの面でも、大きな収穫があった。

公開研究授業1

1.日時 平成19年7月13日(金)13:40〜
2.場所 北区立岩淵小学校  図工室     

  • 東京都北区岩淵町6−6 
  • 電話 03−3901−2950(職員室)

3.内容  

(1)公開授業授業者:渡邊裕美 教諭 (北区立岩淵小学校)

内 容:「ころちゃんのなかまをさがそう」(2年生)
 低学年を対象とした「子どもスイッチ」に関連した実践感覚を働かせた活動と子どもの表現が生まれるところ

(2)研究協議会
(3)講師 横内克之 先生  (新宿区立花園学校)

(4)その他

公開授業1の感想

研究局Aチーム班長 杉並区立方南小学校 杉山 裕子

〜題材について〜 

 この題材は「石(ころちゃん)の友だちを探そう。」という教師の言葉をきっかけにして活動をしました。子どもが様々な自然物の中から手触りや色の違いを感じたり、それまでの経験を生かしたりして「ころちゃん」の友だちを探し、それを画面に並べて遊ぶという活動を行いました。  
 子どもの「集める」という行為の中に同時に含まれる「遊び」にも焦点を当てました。「遊び」の中には、子どもが身近な世界をどう「みて」、どう「感じて」いるかがあらわれています。そして、子どもが集めた自然物は、それを手にしたときの気持ちや思い出を含み、そこから感じたお話やイメージを新たに紡ぎ出していきます。大事な「ころちゃん」をどうしてあげたいか、そして、仲間を探し出した子どもは何をしたくなるのかを、丁寧にみたいと考えました。

〜授業を終えて〜 

 子どもは活動しながら、素材の面白さや手触りなどを自分で見つけていました。また、活動場所を一か所に設定し直したことにより、「みる」「集める」「遊ぶ」が同時進行で行われ、子どもの活動の連続性を見ることができました。  
 課題としては、子どもが題材と出会う際に、教師の言葉や題材の手渡し方をじっくり検討する必要がありました。また授業の過程で、子どもの見方に寄り添い、委ねて活動を見守っていくことが必要だと感じました。

研修局紹介

 図工における子どもの表現の研究とそれに関わる授業の提案を行っています。 
 年4回の研究授業を公開し、様々な方から意見をいただきながら、図工が子どもの成長にどのように関わって行くのか実践を通して考えていきます。

今年のテーマ

 昨年に続き、「子どもスイッチ」をキーワードに研究を進めています。今年度は、心と体を働かせた実践を中心に取り組んでいます。「みる」という観点からアプローチし、子どもの表現の生まれるところ、そして行き着くところを表現の流れとして探求します。

研究グループ

 研究局では、局内を2つのグループに分けて研究を進めています。Aチームは低学年(1,2,3年生)を、Bチームは高学年(4,5,6年生)を中心に授業の研究と実践を取り組んでいます。

年間予定

公開研究授業1

平成19年7月13日(金)
北区立岩淵小学校    
授業者 渡邊裕美 教諭(北区立岩淵小学校)

合同夏期美術館鑑賞研究・研修会

平成19年8月27日(月・休館日)9:30〜17:002 
国立西洋美術館 講堂 常設展示室
研究局員+中央ブロック図工部員

公開授業2

平成19年9月14日(金)13:45〜
板橋区立舟渡小学校
授業者 中島 綾子 教諭

研究局メンバー

局 長

玉置 一仁(北 : 滝野川二)

担当副会長

南 育子(墨田:堤)

局員

大畑 祐之(板橋 : 高島五)
餅 和子(台東 : 金曽木)
岡田 京子(町田 : 町田四)
柴田 祐佳(新宿 : 愛日)
平田 耕介(墨田:押上)
加藤 貴子(江戸川 : 清新三)
杉山 裕子(杉並 : 方南)
横道 広樹(多摩 : 南鶴牧)
三浦 百合子(中央 : 泰明)
増田 三恵子(足立 : 花畑一)
中島 綾子(板橋 : 舟渡)
高橋 明日香(墨田 : 横川)
加藤 真(北 : 稲田)
渡邊 裕美(北 : 岩淵)
山田 智佳子(足立 : 江北)
佐藤 仁美(葛飾 : 堀切)
田中 明美(品川 : 伊藤)

研究局アドバイザー

柴崎 裕(多摩 : 多摩三)

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