状況の変化に対応しながら
東京都図画工作研究会 会長 辻 政博
昨年度は、図画工作教育をめぐる状況の変化に対応しながら、研究、研修活動を力いっぱい進めてきました。特別委員会では、「子ども主義宣言」プロジェクト、また、東京大学での「がんばれ図工の時間」フォーラムへの参加などを行い、子どもの表現のすばらしさを外部の方々に主張してきました。本当に身を粉にして、図画工作教育や子どものよりよい育ちのために、特に中堅の先生方をリーダーに若い先生方が力を発揮していただき、本当にありがたく思いました。
教育をとりまく情勢はいま尚、不透明です。先日は「道徳の教科化」などの情報も流れました。子どものこころに「A・B・C」の評定をつける時代がくるのでしょうか。とても不安な気持ちが湧き上がってきます。また、学習指導要領が10〜12月にかけて、告示される見込みです。今後の情勢を注意深く見守りながら、活動を進めましょう。活動としては、教育課程検討委員会を立上げ、対応を検討します。
皆さんの力をお借りしながらがんばりたいと思います。
がんばれ図工
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がんばれ図工の時間と銘打つシンポジュウムが、さる3月24日—未来の科学技術のために— 東京大学工学部2号館を会場に開催された。これは「がんばれ!図工の時間フォーラム」という団体の主催である。気になる団体と今回のサブテーマだが、そもそもは科学技術畑の方々の「科学技術はモノをつくる。その教育がなされているのは図工の時間。図工の時間をおろそかにすると日本の科学技術はダメになる。」という趣旨に賛同した研究者やアーティストで昨年10月に結成され、すでに仙台市や金沢市でワークショップなどを開催してきた。今回の東大でのシンポジウムも200名をこえる参加者があった。当日は、各方面からの提案や報告の中で、「図工の現場からの報告」を辻会長が講演。子どもの表現の段階的変容の解説や実践報告をおこない、図工の授業時間の確保や、美術・図工教員の確保や育成を訴えた。また、工学部1階のピロティーには、「子どものリアルと図工の時間」展を都図研研究局が展開。
持ち込んだ児童作品の展示や、児童の活動記録映像の放映をおこなった。3階まで吹き抜けのピロティーを覆い尽くすほどの圧倒的な子どものエネルギーと、非日常的な空間の出現に参加者や工学部の学生たちも驚いており、シンポジウムのあとの児童作品鑑賞会では、都図研のスタッフに熱心に質問する姿も見られた。今後この団体と都図研との関係にどのような展開が見られるのか興味深いが、図工以外の分野からのアプローチは初めての経験であり、発展的な関係を期待したい。興味のある方は「がんばれ!図工の時間」フォーラム事務局 http://ganbarezukou.netにアクセスしてみてはいかがだろう。
新生都図研ホームページ
準備中

長年都図研HPを担当されていた柴崎昇氏が退任。新任は菅原亮氏。都図研会員に活動情報を提供するとともに、広く社会に向けて都図研の活動を発信する。今後は「都図研News」とは別に、広域情報発信の中核として機能すべく、内容や運営方法を今年度1年をかけて練り上げていく予定。
6月研修Information
研修局は今年度も3回の研修会を予定している。この研修会はいずれも申し込み制度で、第一回の研修?は、6月15日(金)品川区立第二延山小学校を会場に開催される。内容の詳細や申込書などは後日配布される。講師には奥村高明氏を予定している。
2007年度事業計画
4月
役員会:誠之小 ・・・17日
5月
理事研究会:文京・誠之小・・・8日
6月研修会1申し込み通知・受付
6月
研修局研修1:品川・第二延山(理事会資料参照)・・・15日
7月研修会2申し込み通知・受付
7月
理事研究会:新宿・落合六小 ・・・10日
研究局公開授業(詳細未定)
研修会2(詳細未定)・・・30・31日
8月
研究局鑑賞研修:国立近代美術館(内容詳細未定)・・・下旬
9月
理事研究会:目黒・五本木小 ・・・11日
研究局公開授業(詳細未定)
10月
役員立候補受付
11月
都図研中央大会・関ブロ東京大会(大会要項参照)・・8〜9日
全造連熊本大会(大会要項参照)・・・14〜16日
12月
臨時総会:調布・布田小 ・・・11日
役員選挙・・・11日
1月研修会3申し込み通知・受付
1月
研修会3(詳細未定)
2月
研究局公開授業(詳細未定)
研修局研修3(詳細未定)
東京都公立学校美術展:都美術館・・・12 日(搬入)〜18 日(搬出)
3月
理事研究会総会:文京・誠之小 ・・・11日
子ども主義宣言発刊!
- 子どもの中に真実がある
- 造形表現は、「私」をつくりだす?
- 造形表現は、強力なコミュニケーション・ツールである
クリックすると拡大します。
昨年度の都図研特別委員会の一大事業であった「子ども主義宣言」が、いよいよ出版されることになった。この本の刊行には、高橋香苗委員長をはじめ多くのスタッフが膨大な時間を費やして、都図研の今とこれからと、子どもの宇宙を浮き彫りにする、汗と涙と気力の結晶である。茂木健一郎氏・北川フラム氏・谷川俊太郎氏・野中真理子氏のインタビューにはじまり、実践・論考・エッセイなど320ページに「子どもたちのリアルと図工の時間」が凝縮されている。都図研会員はもちろん、広く一般の方々にも購入を勧めてもらいたい。
昨年度3月の理事研究会で配布された割引購入券は、コピー使用可。2,200円(税込み)で購入できるので、ぜひ利用していただきたい。書店での購入は2,400円+税の予定。出版社は三晃書房。
会則改正なぜ?また!
昨年度改正されたばかりの都図研会則の改正が、5月の理事研究会で提案される。昨年の改正は「東京都教職員研修センター認定団体登録申請」を行うため、研究組織に管理職の参画が必要と判断し、顧問校長2名、参与副校長10名を役員として位置づけるための方策であった。しかしながら今回の会則改正では、顧問及び参与管理職を役員から除くという事態に及んだのである。なぜこのようなことがおこったのか。そもそもの発端は、数年前「東京都教職員研修センター」が、高等学校に研究認定団体制度を設けたことからだ。この制度は、認定されると同センターの研修の枠組みがもらえ、独自の研修がおこなえるというもの。
高等学校対象のこの制度がやがて小学校まで降りてくるという情報が当時の鈴石会長の耳に届き、任意研究団体である都図研を公的研究団体として認知してもらい、今後の研究・研修活動の保障を取り付けるための窮余の策として、管理職を役員に位置づけるための会則改正に至った。ところが現在、研修センターではそのような動きが全く見られず、それでは都図研役員になっている必要がないということで、顧問校長から参与副校長を含めて都図研役員を辞退するという連絡が入った。これを受けての今年度の会則改正では、細かい表記の変更はあるものの、ほぼ改正前の内容にもどったことになる。
解説
研究団体としての都図研の位置づけを明らかにしておこう。東京都には都の公立小学校の各教科及び道徳・特別活動・学校行事・学級経営の13にわたる教科・領域の研究団体があり、これらを統括する「東京都小学校研究会連合(略称:都小研連)」がある。
都小研連は都内各小学校からの研究負担金を一括し、都小研連を構成する各教科・領域の研究団体に研究費を配分している。都図研も都小研連を構成する一研究団体として、研究活動費を分配されて運営している。都小研連を構成する研究団体は、かつては東京都教育研究助成金の交付対象となっていたが、現在、都からの助成金は打ち切られている。
助成金がないことで、公的な研究団体としての性格が微妙な位置づけとなるが、実質的には、どの研究団体も50年前後にわたっての活動を継続しており、教員の指導力向上のための不可欠な存在である。しかし、助成金の補助がないという現状が、今後の都図研の研究・研修活動にどのような影響を与えるのか予断を許さない状況でもある。まさに辻会長の言う『状況の変化に対応しながら』活動を継続していくしかないである。
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